あ~!ここのケーキ美味しそう!
雑誌を開くと、テレビをつけると、旬の味覚、色彩豊かで香り立つようなメニューが目に飛び込んできます。
美味しい物は食べたい!…でも痩せたい…。
今や飽食の時代といわれて久しく、成人病と言われていた高脂血症や高血圧・糖尿病などの疾患もオトナだけのものではなくなり子供や若い世代にも認められるようになってきたため、“成人病”ではなく“生活習慣病”と名前が変わったことを御存じの方も多いでしょう。
ダイエットしても体重が思うように減らない、ほてりやすくなった、便秘がち、のどが渇くから水分を摂っているけどその割に尿量が少ないかも、疲れやすいなど単に体重や体脂肪だけでなく内蔵にも負担がかかっている状態が考えられます。
心疾患、糖尿病、脂肪肝、代謝の低下、動脈硬化など西洋学的に細かな診断を要す場合もありますが、漢方学的には体内に湿・熱をためこんでいる状態または基礎代謝力(“陽”;温める力“気”;エネルギー)の低下と考えます。しかし、単純なものだけでなく、食べ過ぎ+疲れ→代謝副産物のたまり、疲れ+代謝力の低下→代謝副産物のたまりと考えられるものや、疲れやすい+水代謝の低下→水太り、冷え+代謝力の低下→代謝副産物のたまり、水太りなど様々な状態が考えられます。
便秘薬や肥満解消にとうたっている市販薬の中に防風通聖散を使用しているものがあります。この処方は便通を良くする大黄や体内に停滞した湿熱分を代謝し排出する効果がある防已などが含まれています。
また、体がだるい・疲れやすい汗が多いなどのうえ水太り傾向の方には防已黄耆湯がいいでしょう。内臓が疲れてくると汗のコントロールをしにくくなります。内臓の力が毛穴の開け閉めに関係しているからです。そのためかぜもひきやすくなります。
防已黄耆湯には内臓の力を高めて水分を排泄し易くし、また内臓の力から体表を強く(漢方では営衛と言います)します。
瘀血と言う病態(血液ドロドロ…なんて言われていますが)のある場合は桃核承気湯などがあり、貧血のひどくない子宮筋腫や化膿性の皮湿をつくりやすく便秘傾向の方に良い桃核や大黄などが入っています。
漢方では太り易い原因によって薬内容を“処方”というかたちで改善に向けます。
このように一言で“痩せる”と言っても体質改善もしっかり考えないとかえって体を悪くすることもあるので気を付けて下さい。
防風、荊芥、連翹、麻黄、薄荷、川芎、当帰、白芍、白朮、
山梔子、
大黄、
芒消、石膏、黄芩、桔梗、生姜
防已黄耆湯
防已、黄耆、甘草、白朮、生姜、大棗
桃核承気湯
桃仁、大黄、桂枝、炙甘草、芒消
防風通聖散は臓腑の毒を排出すると言われています。
現代病として注目されているメタボリックシンドロームは、様々な代赭産物が体内に溜まり臓器障害をきたします。内臓を丈夫に保つのも大切ですし、余分な代謝産物をため込まないことも大切です。
体表の代謝をよくし、皮膚呼吸を促す防風・荊芥・連翹・麻黄・薄荷・黄芩・桔梗、血液の流れを改善する川芎・当帰・白芍・胃腸を元気にし、また水分代謝を改善する白朮・生姜、余分な代謝物を体外に排出する
大黄・
芒消、体内に発生した余分な熱を処理する石膏、
山梔子で構成されています。
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クチナシの果実 発赤を伴う湿疹、外傷、強いストレスからくる胸苦しさや不眠に使用 |
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ほとんどの下剤に使われている。 食べ過ぎ後の腹満、便秘を解消するとともに体内に蓄積されている代謝熱も同時に排泄にむける。特徴的なものとしては便秘がちでニキビが出来る時など。
また、これらの効果により瘀血(血液の滞り)を解消し、血流を改善する。(注) |
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下剤として使用される天然の鉱物 現在は硫酸ナトリウムを使用しているが、古来は硫酸マグネシウムであった。 大黄と相互に助け合う。 |
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ツヅラフジの根茎
清熱利水に働く。体内の余分な熱分(余分な代謝熱や炎症による熱)と停滞する水分を除く。熱をもって腫れる関節炎にも使用。 |
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モモの成熟種子 通便作用と伴に塊を解消する働きをもつ。塊とは瘀血や打撲部に生じた腫れまたは子宮筋腫、産後瘀血の悪露停滞など。 |