小児が陥りやすい病状には様々なものがあります。
体質的なもの、成長段階によるアンバランスから生じるもの、アレルギー性疾患などです。
また、鼻血、頭痛、夜泣き、夜尿など大きな病気の一症状として現れているのか、はたまた精神的なことか、体のバランスか・・・わかりにくい事も多く検査するべきか否かも迷うこともあるでしょう。
もちろん、専門家の診断を仰ぐのは言うまでもありませんが、原因不明の場合、漢方的には成長段階による“気”のアンバランスと考えられるものがあります。
特に胃腸の成長は重要で個人々に差があり、“食べる”行為自体にも違いがでてきます。
中国の古い漢方の本には『胃気がなければ死ぬ』と書かれており、点滴などができる現代ではちょっとオーバーに聞こえますが、いかに胃腸というものが昔から重要視されていたかを知ることができます。
“食べる”というのは命をつなぐ行為です。
力強く成長するためにはやはりしっかり食べることは大切なことです。
そして、食べて得た栄養をエネルギーに替え、全身を廻らせるのです。
ここに、食べ物を“受け取り・廻らす”ことによる“気”の廻りを考えることができます。
例えば、体表にうまく“気”をめぐらせれなければかぜをひきやすい・・ということもあります。
気の廻りがうまくいかないことが頭痛につながることもあります。
このように働く「胃腸→全身への気の廻り」をよくするものに“補中益気湯”という漢方薬があります。