平成20年4月より特定健康診査:通称メタボ検診が始まりました。
平成20年4月より特定健康診査:通称メタボ検診が始まりました。
運動療法 : 急激な無理な運動はよくありませんが、ウォーキングやストレッチなど自分の体力に合わせ無理のない運動を継続するよう心掛けましょう。 メタボリックシンドロームにあてはまるからといって、何か自覚症状のある方はほとんどいないと思います。この状態を東洋医学では「未病」と呼びます。東洋医学で病気の原因として考えられている因子-内因(本来その個人に生まれながらに備わった体質、性格など)、外因(温度や湿度、花粉やウイルスなど)、その他(ストレス、過労、過食、飲酒、喫煙、運動不足など)-が複雑に絡み合って疾病を発症、進行させていくといわれています。未病はその前段階を意味し、2000年以上の歴史を持つ伝承医学である東洋医学には、「未病を治す」という予防医学の概念や、医食同源の考えがすでに備わっておりメタボリックシンドロームの改善と深く関係すると考えます。 メタボリックシンドロームの診断基準の一つであるウエスト径はすなわち肥満の指標として測定されます。肥満の改善に用いられることの多い漢方薬の中からここでは次の2剤をご紹介しましょう。 ■防風通聖散 【適応症】 ※防風通聖散には、上記に挙げたように18種類もの生薬が使われています。これらの生薬の精妙な相互作用で、肥満によって体内にたまった病毒を取り除き、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を改善します。体力があってがっちりとした、いわゆる固太り体質の人に適した漢方薬で、体力のない人や胃腸の弱い人には向きません。防風通聖散は、体に脂肪がつき過ぎた脂肪太りで、特に腹部に脂肪が多く、便秘がちな方に適しています。新陳代謝を促進し、老廃物を便や尿、汗などと共に排出、解毒します。この作用により肥満症や高血圧に伴う症状が改善されます。 ■防巳黄耆湯 【適応症】 ※防巳黄耆湯は、体表(皮膚や関節)を強化し、過剰の発汗を抑えて水分代謝をよくし、下半身の浮腫(ふしゅ)などをとり、重だるい身体を軽く感じさせる働きをします。このことは、運動しやすい身体の状態をつくることにも通じ、肥満の改善に役立ちます。 漢方薬のなかにはその薬効の科学的な機序が十分に解明されていないものも多数ありますが、防風通聖散の薬理作用に関しては、最先端の分子生物学の分野でその作用機序が解明されつつあります。
■脂肪細胞にける麻黄とβレセプター
■平成20年4月より特定健康診査:通称メタボ検診が始まりました。 その他防風通聖散や防巳黄耆湯に含まれる生薬には、便秘を改善し体内に溜まった老廃物の排泄を促す作用があり、また利水・利尿といった体内の余分な水分を調節し、排泄を促すことで、体のむくみを解消する働きをもつものもあります。また体を温め発汗を促し、新陳代謝を活発にすることで体内の脂肪を燃焼させやすくし、結果やせる効果をあげる成分も含まれます。 以上のように防風通聖散や防巳黄耆湯は肥満・メタボリックシンドロームの改善に非常に期待がもてる漢方薬ですが、使用には正しく証を見極め個人個人に合った服用が大切です。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||