カゼが流行っています。
秋は六淫で“燥”の季節。気道粘膜も乾燥しやすく、朝ふと気が付くとなんだか喉が痛いと感じることがあるかもしれません。
また、夏に水分をとりすぎてしまった方は、鼻水、痰になりやすいこともあります。
鼻水は出るけれど喉はイガイガと乾き、むせるような咳が出る・・・こんな経験をしたことのある方も多いでしょう。
そうです。鼻水という水の溜まりがあるのに気道は乾いている。
体質と環境の影響で潤い(津液:しんえき)の分布が変化したり、水分の代謝がうまくいかず溜まりばかりをつくるため、潤って欲しいところが潤わないのです。
喉が乾き、咳き込みが続いたり、切れにくい痰のあるとき“麦門冬湯”が著効することがあります。
かぜをひいたという程ではないけれど喉がイガイガする、またはかぜの初期、かせのピークは過ぎたけれど乾いた咳や痰のからみがなかなか治らない・・などの時によい薬です。
“麦門冬湯”は肺を潤すだけでなく、胃も潤し力を与えます。
漢方的概念では肺は胃から栄養を受け取るとあり、肺が良い状態であるためには胃の状態もよくなければなりません。
漢方薬というのは体のバランスを考えた構成が常に為されています。