屠蘇酒は三国時代、華佗の処方といわれています。
『本草綱目』や『日本歳時記』では邪を屠絶えて人魂を蘇醒せしむるとされており、日本では今から約1200年前の嵯峨天皇の時代に唐から献上された「屠白散」と称する霊薬がその始まりと考えられています。
随末~唐代の『屠蘇論』には「屠蘇散」(または「八神散」)として記載されており、「その方は薬八品を用い合わせ剤となす、・・・・・一人これを飲みぬれば一家に病なし、一家で飲みぬれば一里に病無しと言う。
薬八品というのは山椒、白朮、防風、桔梗、肉桂、陳皮、丁子、小茴香、浜防風(文献によって多少異なる)で健胃、理気、温中利水、補肺止咳の効能があります。
今でも煎じ薬に用いるものばかりです。これらの生薬を刻み、紅い袋にいれて6~8時間酒に浸けます。
正月三日服用し、その残りと煎じ滓は殺菌効果を期待してか井戸へつけたようです。
年長者から飲むか年少者から飲むかは地方や考え方によって違うようですが、文献によると、より若いものの精気を飲み若さを保つ意と毒味として存在した薬童子の習わしから「東方を拝み年少者から飲む」とされています。
酒は体を温め循環を良くします。寒い時期に体をめぐらせ代謝を助け肺気を補う効能です。
しかし、いくら体に良いと言ってもやはり“酒”、飲み過ぎに注意しましょう。