当法人名誉会長伊藤良先生が去る10月16日に逝去されました。氏は1998年(平10)3月に急逝された初代井田正理事長の跡を受け、当法人2代目理事長に就任され、診察に携わられる傍ら、中国を度々訪問、日中医療交流に多大な功績を残されました。また法人の設立20周年・25周年事業では中国から柯 雪帆、靳 士英、盧 崇漢先生ら老中大医をお招きし、記念講演会やシンポジウムを開催、その業績は単に法人のみならず我が国の中医学発展のためにも大いに貢献するものでした。
2007年(平19)4月に愛弟子である中本かよ(佳代子)現理事長に引き継がれてからも、名誉会長として法人運営のためご指導を頂きました。残された者は先生のご遺志と情熱を受け継ぎ、当法人の目的である漢方医療のさらなる発展と普及を図ると同時に診療活動を通して府民の健康の維持・増進のために邁進して参ることをお誓いし、心からご冥福をお祈り申し上げます。
追悼文
理事長 中本かよ(佳代子)
伊藤先生は寡黙で、真摯に生命の真髄と向き合い、常に中医学の本を読んでおられる勉強家でした。「本当に中医学を学ぶのなら一旦、西洋医学を捨てろ」と言われたことがあります。そうすることによって、西洋医学的診断だけでは判断できない体質や気血水の乱れなど、人体でおこっているバランスの崩れを全体としてとらえることが出来るのです。身体に起こる様々な病状を自然と人体を一体とした自然摂理から読み解き、身体の深淵をみる脈診をされていました。本当にたくさんのことを学ばせていただきありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。