自然界とからだはお互いに関係性をもって変化しています。一年の変化はゆっくりでありながら動的であり、四季を通じてからだにも変化をもたらせ、からだはこれに対応していきます。からだの変化・対応には体内の五臓六腑の働きが不可欠であり、五臓六腑の働きに不調があると、うまく対応することができなくなり異状があらわれます。四季にはそれぞれ意味があり、四季の変化にうまく沿うことが健康に過ごす知恵なのです。
春は、肝の季節といわれています。陽気がのぼり、肝気ものぼる季節で、生命のおこりや芽吹きを連想します。皮膚呼吸も盛んになり、湿疹などがでやすくなることもあります。
また、肝気ののぼりがうまくいかない場合は、頭痛や五月病などもあらわれます。肝は木に喩えられます。のびやかに過ごすことが必要です。
夏は心の季節です。陽気が活発になり心気が亢進します。暑・熱の影響を受けやすく、陰(体内の水分、血分)を消耗しやすくなります。動悸や不眠が起こりやすくなり脱水や鬱熱にも注意が必要です。
秋は肺の季節です。乾燥の季節でもあり、肺・皮膚呼吸は低下しやすくカゼをひきやすくなります。乾燥に注意し、軽い運動で呼吸機能を安定させることが必要です。
冬は腎の季節です。陽気が低下し、寒さの侵襲を受けやすくなります。しかし、"陰を蔵す季節"とも言われ、陽を育てるもとをつくる季節と考えられています。腎は生命の種火を宿す場所であり、これからの冬の時期に新たな芽吹く春に向け体を養うことを心がけましょう。