明けましておめでとうございます。
二十四節気とは、一太陽年を24等分し、その季節を表す自然の変化を表記したものです。
その興りは段階的であると考えられており、二至二分(夏至冬至・春分秋分)は日時計の影で決められ、すでに殷周時代には冬至が年始と定められていたことが分かっています。
中国戦国時代末期(紀元前230年頃)の『呂氏春秋』には、天文学・音楽理論・農学理論とともに二至二分を意識した記載があり、古代中国の文明の高さが伺えます。また、前漢の思想書である『淮南子』には二十四節気の全てが記載されており、この頃から一年の変化をよむために使われていたと考えられます。
現在の気候とぴったりと当てはまらないとの考えもありますが、当てはめることが重要なのではなく、“変化を知り養生に利用する”ことが重要なのではないでしょうか。二十四節気は節気と中気に分けられ名付けられていますが、季節の変化を予想でき、それを体質によって養生に生かすことができます。
今年のように夏が暑く、冷飲食が多くなり内臓が疲れてくると、9月7日頃「白露」、10月8日頃「寒露」、10月23日頃「霜降」と自然界では大気中の水気が凝結しやすくなる時期に胃腸障害が出やすくなります。この状態を正しく改善しなければ“伏病”といって次の季節に症状を引き延ばすことになり、冬や春に鼻水・咳痰が出やすくなります。空調などで体の寒熱の感覚が鈍ってきている方が多いように見受けられます。二十四節気を少し意識して養生に取り入れてください。診察にも取り入れています。